二十四節気「清明(せいめい)」とは?意味や由来、行事を解説

清明(せいめい)とは?

清明とは、二十四節気の1つで、春分の次に来る、春真っ盛りな時期を表す5番目の二十四節気です。

清明とは、その漢字の通り、すべてのものが清々しく、活気づいて明るい季節の様子を表しています。

もともとは「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」を略した言葉で、春の本格的な始まりである「春分」を過ぎ、春のうららかな光と陽気で満たされる4月上旬から下旬頃の時候を指します。

桜の開花も一気に進み、新緑が萌え出します。晴明の時期の春の日差しを受けてキラキラと空が輝く様から「風光る」という季語もあります。

2025年の清明はいつ?

2025年の清明は、2025年4月4日(金)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

清明の第十三候、第十四候、第十五候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、晴明には第十三候、第十四候、第十五候があります。

第十三候は4月4日から4月8日頃で「玄鳥至(つばめきたる)」時期と呼びます。暖かくなり、夏鳥のツバメが東南アジアから繁殖のために日本に渡来してくる様子を表しています。

第十四候は4月9日から4月13日頃で「鴻雁北(こうがんかえる)」時期と呼びます。ツバメの渡来と入れ替わりに、冬鳥の雁が北(シベリア)へ戻る様子を表しています。

第十五候は4月14日から4月19日頃で「虹始見(にじはじめてあらわる)」時期と呼びます。暖かくなって空気が潤い出し、空に虹が現れ出した様子を表しています。

清明の季節に行われる沖縄の「清明祭」

沖縄では、清明の季節に「清明祭(シーミー)」が行われます。

中国では同時期に清明節(せいめいせつ)という祝日があり、お彼岸のように家族でお墓参りをする風習があります。

「清明祭」は中国の晴明節からきた風習で、中国の清明節と同じく、お墓の掃除やお供えをしてご先祖参りをする行事です。沖縄では、お正月とお盆に並ぶ1年の三大行事の1つに数えられています。

普通のお墓参りと違うのは、お墓参りやお墓の掃除の後に家族みんなで食べるごちそうを用意することです。豚肉や餅、昆布などを重箱に詰め、墓前で親族みんなで食べます。

清明の行事や風習とは?

清明の時期である4月8日は、旧暦のお釈迦様の誕生日で、「灌仏会(かんぶつえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」「降誕会(こうたんえ)」と呼ばれています。

この日は全国の寺院で小さな堂を花で飾った花見堂を作ったり、水盤に誕生仏を安置したりと、いつもと違う装飾で参拝客を迎えます。その華やかな様子から、やがて「花祭り」と呼ばれるのが一般的になりました。

お釈迦様が誕生する際に天から龍がやってきて、甘露の雨を降らしたという伝説があるため、この日はいつもの参拝方法とは異なり、柄杓で誕生仏に甘茶をかけてお釈迦様の誕生日をお祝いします。

清明の旬の食べ物とは?

清明の旬の食べ物で、まず紹介するのはカツオです。

カツオは黒潮に沿って春先に北上してくる回遊魚のため、春と秋の2回、旬があります。春にやってくるカツオは「初カツオ」と呼ばれ、晴明では新鮮なうちにたたきで食べられます。

さざえも晴明の旬の食べ物で、古来より宮廷や伊勢神宮に奉納されてきました。

春に早採りした小ぶりの新じゃがいもや、水分が多く全体的に柔らかい春キャベツ、早春に芽吹いた木の芽の山椒もこの時期の旬です。

清明の旬の花や植物とは?

晴明の時期には、石楠花(しゃくなげ)が見頃になります。花束のようにぎゅっと集約された花がゴージャスで見ごたえがあります。

また、柳に雪が積もったように小さな白い花が咲き誇るユキヤナギも旬を迎えます。ユキヤナギは「小米花(こごめばな)」という俳句の季語にもなっています。

もちろん、晴明はが満開になる時期でもあります。早咲きの桜は見頃を過ぎて葉桜になっていきます。

また、4月から5月に田植え前に植えて、土の質をよくさせるレンゲソウも見頃を迎えます。

清明の過ごし方とは?

晴明の時期は明るく陽気になり、草花が活気だち、多くの食べ物が旬を迎えます。

寒すぎず暑すぎず、お出かけにもちょうど良い時候なので、花を見に出かけたり、新キャベツなど旬の食べ物の料理を持参して行楽に出かけたり、春のうららかさを五感で楽しむのにおすすめの季節です。

また、晴明は進学、入学、入社など新しいスタートを迎える節目の時期でもあります。新しいスタートを力強く進めるよう、また環境の変化についていけるよう、いつもよりも休息や睡眠、食事に気をつけて心身の調子を整えながら過ごすことも大切な時期となります。

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