二十四節気「小雪(しょうせつ)」とは?意味や由来、行事を解説

小雪(しょうせつ)とは?

小雪とは、二十四節気の1つで、本格的な冬の前触れの時候を表す20番目の二十四節気です。

小雪は、字のごとく、冬が訪れたもののまだ寒さが本格的ではなく、雪が降っても少しであることから、小雪と言われるようになりました。

江戸時代の暦の解説書には「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也=冷え込むようになってきて雨が雪になって降ってくるので」と、小雪の様子を伝えています。

また、小雪は風花(かざはな)が舞う季節とも言われています。風花は文字通り風に舞う花びらではなく、小さくひらひらと舞い散る雪を花びらに例えて、「風花が舞う」と言われるようになりました。

季節の趣を楽しむ日本人らしい表現方法といえますね。

2024年の小雪はいつ?

2024年の小雪は、2024年11月22日(金)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

小雪の第五十八候、第五十九候、第六十候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、小雪には第五十八候、第五十九候、第六十候があります。

第五十八候は11月22日から11月26日頃で「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」時期と呼びます。文字通り、冬が深まるにつれて日差しが弱まり、曇り空が増えて虹が見られなくなってきた時期を指します。

第五十九候は11月27日から12月1日頃で「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」時期と呼びます。朔風とは北風を指し、文字通り、北からの木枯らしが木々の葉を散らす様子を表しています。

第六十候は12月2日から12月6日頃で「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」時期と呼びます。日本固有の植物である橘の実が色づき始める頃を表しています。

小雪の時期に訪れる「小春日和」について

小雪の季節になると、雪はちらほら降るものの、昼間は小春日和が感じられることがあります。

春を思わせるほどの温かさと太陽の眩しさを感じる日中の様子を、春に例えて「小春日和」と呼ぶようになりました。

昔から旧暦の10月(現代の11月)の時期は小春日和があると認識されており、寒さ厳しくなる前のひとときの温かさを大切に味わっていました。

小春日和が続くと、春の草花が「春になった」と勘違いして咲くことがあります。このように季節を間違って咲く花を「狂い花」「忘れ花」と言い、時折ニュースで季節外れの桜が咲く話を見るのも、この小春日和による現象です。

小雪の行事や風習とは?

小雪の時節で最近有名な行事といえば、11月22日の「いい夫婦の日」です。

1122の語呂合わせが由来となっており、財団法人日本生産性本部が、夫婦で余暇を楽しむライフスタイルを提唱し、1988年に制定しました。昔から語呂合わせで縁起物を担いでいる日本では、この日に入籍や結婚式を選ぶカップルも多いようです。

翌日の11月23日は新嘗祭(にいなめさい)と勤労感謝の日です。

1948年に勤労を尊び感謝する日として国民の祝日に制定されました。

新嘗祭は天皇陛下が神殿に新穀を供え、収穫を感謝する、古来より大切にされている祭典です。

小雪の旬の食べ物とは?

小雪の旬の食べ物といえば、ほうれん草です。

1年中スーパーで見かける栄養価の高いお役立ち野菜ですが、実は旬の季節は11月から1月。旬のほうれん草はより甘みがあり、色が濃いのが特徴です。

果物では、みかんが旬を迎えます。雪が降り始めるほど寒くなってくると、「コタツとみかん」を連想する人も多いでしょう。

魚介類では、ズワイガニが旬を迎えます。

高級食材の1つであるカニは、冬を象徴する海の幸。他にもタラバガニなどカニには種類がありますが、ズワイガニがもっとも濃厚な旨味を持ち美味であると言われています。

小雪の旬の花や植物とは?

小雪に見頃を迎える花は、寒椿です。

寒椿は椿と山茶花が交配された種で、華やかな八重咲の花びらをつけます。椿といえば花がまるごと茎から離れてボトッと落ちる様が有名ですが、寒椿は山茶花の特徴を継いでいるため、花びらがひらひらと一枚ずつ散ります。

外来の花でいえば、ポインセチアも見頃を迎えます。

ポインセチアといえばクリスマスを連想するくらい、世界的に有名な冬を代表する植物です。一般的な赤の種の他、ピンク色のプリンセチアという種も人気です。

小雪の過ごし方とは?

小雪を迎えると、本格的な冬の訪れはもう目前です。

雪が降ってもまだパラパラと降る程度ですので、次の大雪を迎える前に、本格的な冬支度の準備を進めておきましょう。

小雪の日中は小春日和の日が続くこともありますから、年内最後のアウトドアやスポーツを楽しむのもおすすめです。

また小雪には「いい夫婦の日」や「勤労感謝の日」がありますから、日頃の感謝を込めて大切な人と旅行に出かけるのも良いでしょう。

また、小雪は落ち葉の時期として「木の葉時雨」とも言われています。散り落ちた色とりどりの紅葉した葉の道を散策しながら、移ろいゆく季節の様子を五感で感じるのもおすすめです。

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