二十四節気「冬至(とうじ)」とは?意味や由来、行事を解説

冬至(とうじ)とは?

冬至とは、二十四節気の1つで、冬の真っ最中の時候を表す22番目の二十四節気です。冬至は、「“冬”に“至”る」と書くように、本格的な冬入りの時期を指します。

また、冬至は1年のうちで太陽が最も低い位置にいることから、1年で最も昼が短く、夜が最も長い日でもあります。

こう聞くと冬至は暗く寒いイメージが湧きますが、中国では冬至の日を境に昼の時間が徐々に長くなっていくことから、冬至を「一陽来復(いちようらいふく)」と言い、太陽が復活する日=1年の始まりとされてきました。

この太陽の誕生日を祝う風習は世界各地で見られ、有名なクリスマスも冬至祭からきています。

2024年の冬至はいつ?

2024年の冬至は、2024年12月21日(土)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

冬至の第六十四候、第六十五候、第六十六候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、冬至には第六十四候、第六十五候、第六十六候があります。

第六十四候は12月21日から12月25日頃で「乃東生(なつかれくさしょうず)」時期と呼びます。冬に芽を出し夏に枯れる「夏枯草=乃東」が芽を出す時期を指します。

第六十五候は12月26日から12月30日頃で「麋角解(さわしかのつのおつる)」時期と呼びます。麋は「なれしか」というトナカイ又はヘラジカを指し、オス麋の角が落ちる時期を表しています。

第六十六候は12月31日から1月4日頃で「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」時期と呼びます。越年草である麦が雪の下からひっそりと芽吹く様子を表しています。

冬至と夏至の違いは?

「冬至」と「夏至」は、どちらも太陽の動きに基づいた暦=二十四節気の1つです。

前述したとおり、冬至は1年で最も夜が長く、昼が最も短い日です。対して夏至は1年で最も昼が長く、夜が最も短い日になります。

昼と夜の時間が変わるのは地球が地軸を傾けたまま太陽の周囲を回っていることから発生する現象で、地軸の傾きによる日照時間の変動の影響を受けない春分と秋分は、昼と夜の時間が一緒になります。

これらの現象は北半球に限ります南半球では正反対の現象が起こるため、日本が冬至を迎える時に夏至を迎え、日本が夏至を迎える時に冬至を迎える地域があります。

冬至の行事や風習とは?

冬至の風習といえば、かぼちゃを食べることと、柚子湯に入ることです。

かぼちゃは漢字で南瓜と書くため、冬至の「陰(北)から陽(南)へ向かう」という意味になぞらえて冬至にふさわしい食べ物となりました。

この他にも、冬至には「ん」がつく食べ物を食べると「運」がつくと考えられており、大根や人参、レンコン、うどんなどがゲン担ぎで食べられます。

柚子湯は、冬至を湯治になぞらえ、湯治に柚子湯に入ると風邪を引かないと言われています。

柚子など強い香りがするものは邪気を払うとされていること、また柚子は実るまで長い年月がかかることから「長年の苦労が実る」にかけて柚子が選ばれたとされています。

冬至の旬の食べ物とは?

冬至に旬を迎える食べ物は、まずはやはりかぼちゃです。

かぼちゃは真夏から初秋にかけて採れる野菜ですが、数ヶ月追熟させるとさらに栄養価が高くなるため、昔から冬の大事な栄養源として重宝されてきました。免疫力を高める効果もあるため、言い伝えでなく科学的にも風邪予防にぴったりといえます。

他には金目鯛が旬を迎えます。

鯛とつきますが実は鯛の仲間ではなく、深海魚の一種です。上品な味わいとふっくらした触感でとても人気のある高級魚で、長寿の象徴や縁起のいい魚としてお正月やお祝いの日に食べられます。

冬至の旬の花や植物とは?

冬至の頃から咲きほころぶのは、冬至梅(とうじばい)です。

一重と八重の種があり、色は紅や白色をしている、小ぶりの野梅です。花の時期が梅の中で最も早く、厳しい寒さの中で健気に咲く様から、昔から俳句にも詠まれていました。新春の贈り物として選ばれる花でもあります。

他には菊冬至(きくとうじ)があります。

ツバキ科の常緑樹で、一般的な菊の花が枯れた頃に咲き始めることから「菊閉じ=菊冬至」と名づけられたと言われています。

冬至の過ごし方とは?

夜が長い冬至には寒い、暗いといったイメージがありますが、これから春を迎える=運が上向きになるとして開運に適した日でもあります。

新しい年が輝かしく良いものとなるように、柚子湯で邪気を払い、「ん」のつく食べ物を食べて良運を呼び込みましょう。

また、冬至を境にだんだん日が長くなるとはいえ、寒さの本番はこれからになります。

寒い季節に風邪を引くとこじらせてしまうこともあるので、柚子湯で温まったり、栄養価の高い食べ物を食べたりして、寒い冬を乗り越える頑丈な体作りをしましょう。

昔は冬至が1年の始まりとされていたので、心機一転して一足早く新年の抱負を考えてみるのも良いかもしれません。

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