二十四節気「大雪(たいせつ)」とは?意味や由来、行事を解説

大雪(たいせつ)とは?

大雪とは、二十四節気の1つで、本格的な冬の時候を表す21番目の二十四節気です。

大雪は、字のごとく、本格的な冬に入り、雪がたくさん降り出すようになった時期を指します。

この頃には朝晩の冷え込みが一層厳しくなり、川や池には氷が張るようになります。日ごとに寒くなって、野山は雪で白く染まり、平野や海辺にも雪が降り積もります。

本格的な冬の到来を感じさせる時期で、動物たちもいよいよ冬ごもりを始めます。

また、大雪は新しい年の準備を始める「正月事始め」をする時期とも言われ、「松迎え」や「煤払い」を始め、お正月に使う薪を集めるなど、新年を迎える準備の時期でもあります。

2024年の大雪はいつ?

2024年の大雪は、2024年12月7日(土)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

大雪の第六十一候、第六十二候、第六十三候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、大雪には第六十一候、第六十二候、第六十三候があります。

第六十一候は、12月7日から12月11日頃で「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」時期と呼びます。空が閉塞したような、重く垂れ込めた雲に覆われた、どんよりした冬の天気が見える時期を指します。

第六十二候は、12月12日から12月15日頃で「熊蟄穴(くまあなにこもる)」時期と呼びます。文字通り、熊が冬眠のために冬ごもりをする時期を表しています。

第六十三候は、12月16日から12月20日頃で「?魚群(さけのうおむらがる)」時期と呼びます。産卵のために故郷の川に戻って上流へ上がっていく鮭の様子を表しています。

大雪の時期に訪れる「冬将軍」とは?

「冬将軍」とは、大雪の時期にやってくる厳しい寒さ・寒波のことを指します。

1812年、ナポレオン1世がロシア(モスクワ)へ大遠征した際に厳しい寒さが原因で大敗したことから、寒さを戦に勝利した将軍と擬人化して呼ぶようになったと言われています。

なお、冬将軍は正式には「シベリア寒気団」と言います。シベリア方面から到来した寒気が日本海側に降雪をもたらし、太平洋側へは乾いた冷風が吹き荒れます。

1年を通してみると最も冷え込むのは2月の大寒頃ですが、冬将軍が訪れると同じくらいの厳しい寒さとなります。

大雪の行事や風習とは?

大雪の期間の12月8日は、「事納め」の日と言い、いわば仕事納めのように1年の作業を終える区切りの日とされています。

昔は農作業を納める日とされ、けんちん汁や田楽を食べて1年の労をねぎらいました。

また、事納めの12月8日は、針供養の日でもあります。

昔、針仕事は女性の仕事とされていたため、使えなくなった針を供養して、女性を労わり、そして祈願を行う大事な行事でした。

他にも、12月13日は「鬼宿日(きしゅくにち)」と言い、婚礼以外は万事に大吉とされる縁起のいい日です。この日には1年で降り積もった煤払いをし、新年を迎える準備をします。

大雪の旬の食べ物とは?

大雪の時期に旬を迎えるのは、野菜では大根です。

お鍋、おでん、粕汁など冬に体を温めてくれる定番料理に欠かせない大根。食べ過ぎた胃にも優しい食べ物です。

百合根も旬を迎えます。

オニユリやヤマユリの球根で、煮るとほこほことした柔らかい食感と、ほのかな甘みと苦みを感じる上品な味わいです。

魚では鱈(たら)が旬を迎えます。

大雪の時期に産卵期を迎えた鱈は、エビやカニなど身近なものを何でも食べて腹を膨らすことから「鱈腹」という言葉もあります。

大雪の旬の花や植物とは?

大雪の時期に咲く花は、今やクリスマスの代名詞の植物ともいえる、ポインセチアやシクラメンです。

寒さ厳しい時期に大きく色鮮やかな花を咲かせ、木枯らしの吹く冬の街を彩ってくれます。

日本が原産の植物でいうと、寒椿が咲き始めます。

一般的な椿は早春に咲きますが、寒椿は冬に咲くツバキ科の常緑高木です。厳しい寒さの中で鮮やかに咲き誇る様から、昔から冬の季語としても親しまれてきました。

なお、椿といっても散る時は花びらが一枚ずつ散っていくため山茶花に似ています。

大雪の過ごし方とは?

大雪を迎えると冬将軍も訪れ、日中でも寒さの厳しい日が続きます。

平地でも降雪が観測されるようになるため、買い物に行きづらくなることも考えて早めに冬を越す準備を進めておきましょう

12月半ばを過ぎると各地で正月用品や縁起物が「歳の市」で売られ始めます。良いものを狙いたいなら、早めにチェックをしておきましょう。

また、大雪は1年で一番、日照時間が短くなる冬至に向けて、どんどん昼の時間が短くなっていきます。

寒さ、暗さがピークを迎えるうえに、年末に向けて慌ただしくなるため体調を崩しやすいのもこの時期です。

栄養・睡眠をしっかり取るなど、年末年始に向けて体調管理をより意識して過ごすようにしましょう。

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