二十四節気「雨水(うすい)」とは?意味や由来、行事を解説

雨水(うすい)とは?

雨水とは、二十四節気の1つで、春や新年の始まりを表す立春の次に来る、2番目の二十四節気です。

雨水の意味は、春が来て雪が雨へと変わり、冬に降り積もった雪や氷も溶け始め、水になる様子を指しています。

凍っていた山や田畑の大地が緩み草木が芽吹き始め、雪解け水が流れ出して大地が潤い始めるため、雨水は昔の人にとって農耕を始める大切な目安でした。

しかし、実際のところはまだまだ寒さが残る時期で、積雪のピークにあたる地域もあることから、雨水が来てすぐに農耕を始めるのではなく、あくまでも春の訪れの兆候が見られる節目として認識されてきたようです。

2025年の雨水はいつ?

2025年の雨水は、2025年2月18日(火)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

雨水の第四候、第五候、第六候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、雨水には第四候、第五候、第六候があります。

第四候は、2月19日から2月23日頃で「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」と呼びます。雪が温かな雨水に変わり、それにより凍てついた大地が潤い、植物が芽吹き出す様子を指しています。

第五候は、2月24日から2月28日頃で「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」と呼びます。暖かくなると大気中の水滴が増え、遠くが霞む様子を表しています。

第六候は、3月1日から3月4日頃で「草木萌動(そうもくめばえいずる)」と呼びます。春が進み、大地から草木の芽が一斉に芽吹き出す様子を表しています。

雨水の季節を表す言葉「三寒四温」について

「三寒四温(さんかんしおん)」とは、春先の寒暖を繰り返す周期を表す言葉で、言葉通り「寒い日が三日ほど続くと、その後は四日ほど暖かい」という意味になります。

「三寒四温」は日本古来の言葉ではなく、もともとは中国北東部や朝鮮半島北部で使われていました。

本来は冬の気候を表す言葉でしたが、日本では冬ではなく寒暖の変化を明確に感じられる春の初めの気候の移り変わりを表す言葉として使われるようになりました。

雨水の行事や風習とは?

雨水の時期では、ひな人形を飾ると良いとされています。

湿気を連想する雨水と、水気に弱い人形を用いるひな人形は相性が悪いように思われますが、実はひな祭りとは、もともと災厄を祓うために身代わりの人形(ひとがた)を川や海に流す風習でした。

つまり、ひな祭りと水は深い縁があるのです。そのため、雨や雪解け水が増え、水が豊かになる雨水にひな人形を飾り始めると良縁に恵まれると言われています。

祝い事は午前中に、とよく言われますが、雨水に限っては午後から飾るのが良いとされています。3月3日も雨水の時期にあたりますが、直前に飾って仕舞うやり方は避けたほうが良いとされています。

雨水の旬の食べ物とは?

雨水の時期の旬の食べ物には、昔から春の食材として親しまれてきた、山椒の新芽やフキノトウ、ウド、ワラビなどがあります。

また、菜花も有名です。菜花は黄色い小花を咲かせる「菜の花」とは異なり、油菜・小松菜・チンゲン菜などの野菜のつぼみや若い茎を指します。独特の苦みと茹でると出てくる甘みが特徴で、和え物やお浸しとしてよく食べられます。

雨水の旬の果物としては、イチゴがあります。本来の旬は4月頃ですが、今では出荷のピークが2月以降となっています。

雨水の旬の花や植物とは?

雨水の旬の花や植物として代表的なのは、梅の花です。

梅は桜と同じく古くから日本人に親しみのある花で、奈良時代から梅の花をめでる風習がありました。雨水の頃になると、日本各地で花見ならぬ梅まつりが開催されます。

また、大地に降り積もった雪を分けて咲く雪割草や、砂糖菓子のように甘い香りが特徴の沈丁花(じんちょうげ)も雨水の時期に咲き始める植物です。

桜も、河津桜(かわづざくら)など早咲きする品種のものが咲き始める季節でもあります。

雨水の過ごし方とは?

雨水の過ごし方としては、女の子がいる家庭ではひな人形を飾るのが縁起が良くおすすめです。

京都の下鴨神社では、雨水の時期である3月3日に、境内に流れる御手洗(みたらし)川にひな人形を流す「流し雛(ながしびな)」が行われます。古来の風習と同じく身代わりの人形を作って子供たちの無病息災を願う行事です。

また、雨水では寒暖差が激しくなるため、体調不良が現れやすい時期となります。2月は花粉も飛び始めアレルギー症状も出やすくなるため、運動や睡眠をしっかり取って健康に過ごすことも雨水の時期に大切な過ごし方といえます。

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