二十四節気「立冬(りっとう)」とは?意味や由来、行事を解説

立冬(りっとう)とは?

立冬とは、二十四節気の1つで、冬の始まりの時候を表す19番目の二十四節気です。

暦の上で、いよいよ冬が始まる時節を指し、それゆえ“冬が立つ”と書きます。

鮮やかな紅葉も徐々に色褪せ、冬枯れが目立つようになる季節。朝晩の冷え込みも、日暮れの時刻も一段と早まり、いよいよ本格的な冬の到来を感じさせる時期になります。

この時期にやってくるのは、冬の使者と呼ばれる「木枯らし」です。

字の通り、吹くたびに葉を落として木を枯らしてしまうように見える様から、冬に吹く強い北寄りの風を木枯らしと呼ぶようになったとのことです。

ちなみに、冬型の気圧配置になってから吹く風速8m以上の風が、その年の「木枯らし1号」となります。

2024年の立冬はいつ?

2024年の立冬は、2024年11月7日(木)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

立冬の第五十五候、第五十六候、第五十七候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、立冬には第五十五候、第五十六候、第五十七候があります。

第五十五候は11月7日から11月11日頃で「山茶始開(つばきはじめてひらく)」時期と呼びます。文字通り、山茶花が咲き始める時期を指します。

第五十六候は11月12日から11月16日頃で「地始凍(ちはじめてこおる)」時期と呼びます。文字通り、大地が凍り始めるくらい、寒さが一層厳しくなる時期を表しています。

第五十七候は11月17日から11月21日頃で「金盞香(きんせんかさく)」時期と呼びます。スイセンが咲き始める頃を表しています。

立冬と冬至の違いは?

立冬は、前述したように暦の上で冬が始まる日を指します。

とはいえ、例年11月7日から8日頃が立冬になるため、感覚的にはまだ秋の雰囲気が濃く、紅葉もこれから始まるといったところが多いです。

立冬というのは、これからどんどん気温が下がり、日没が早くなっていく境目という時期ですので、冬の本番は立冬が過ぎてからになります。

一方、冬至も冬に訪れる日ですが、こちらは1年の中で夜が最も長く、昼が最も短い日のことを指します。反対に、夜が最も短く、昼が最も長い日は夏至です。

冬至も夏至も、この日をピークとし、徐々に夜が短く、または夜が長くなっていきます。

立冬の行事や風習とは?

立冬の時期である11月には、日本では七五三シーズンを迎えます。

七五三は子供の成長を祝う節目の儀式の1つで、数え年で3歳の男女、5歳の男子、7歳の女子が神社に参拝をします。

これは平安時代に行われていた3歳の「髪置き」、5歳の「袴着」、7歳の「帯解き」が由来になったと言われており、江戸時代から定着しました。

江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉が病弱な息子の健康を祈ったとされる11月15日が七五三の日とされています。

その他、子だくさんの猪にあやかり、子孫繁栄を祈って亥の子餅を食べる風習もあります。亥の子餅とは、求肥であんこを包んだもので、亥の子の焼き目がついています。

立冬の旬の食べ物とは?

立冬の季節である11月は、新そばの月として有名です。

そばは夏に種をまき、11月に収穫されます。品種によって夏に収穫されるものもありますが、風味の強い秋の収穫のほうが一般的に「新そば」と呼ばれます。そばというと灰色をイメージしますが、新そばは色が薄く、白や緑かかった色合いをしています。

また、ココアも旬の飲み物です。

実は立冬の日(例年11月7日から11月8日頃)は、日本で初めてカカオ豆からココアを製造した森永製菓株式会社によって「ココアの日」に制定されています。

立冬の旬の花や植物とは?

立冬に旬を迎える植物と言えば、七十二候の第五十五候“山茶始開”でも出てくる、山茶花(サザンカ)が有名です。

読み方は「つばきはじめてひらく」ですが、この“つばき”は椿でなく、ツバキ科の「山茶花」を表しています。

また、同じく立冬中の七十二候・第五十七候の「金盞香(きんせんかさく)」で言われる水仙(スイセン)も咲き始めます。

「キンセンカ」は春に咲く別の花の名でもありますが、この時期に言う「キンセンカ」はスイセンの黄色い花弁と白い花びらをキンセンカのように見立てて謳われています。

立冬の過ごし方とは?

立冬に入ると、北国のほうでは早いところで初雪も見られるほど寒さが一層厳しくなります。

子供の成長を祝う七五三や、子孫繁栄を願う亥の子餅の風習など、子孫に対する節目の行事を送りつつ、私生活では本格的な冬を迎える準備を始めましょう。

旧暦の10月の最初の亥の日には、炉開きやこたつ開きが行われていました。それにならい、こたつやストーブ、電気絨毯や毛布など、大きな暖房器具や寝具を出し始めるのに最適な時期です。

また、寒さが厳しくなるため、体調を崩しやすくなる時期でもあります。外出する際はコートやマフラーなどで暖を取り、お風呂では湯船に浸かって、意識して身体を温めるようにしましょう。

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