小暑（しょうしょ）とは？
小暑とは、二十四節気の1つで、夏本番の日差しと暑さを感じる時候を表す11番目の二十四節気です。
1年で最も暑いとされている二十四節気の「大暑」と比べると穏やかな暑さなのかといえば、それは違います。小暑といえど、夏本番に向けた暑さと湿度が感じられます。
小暑は夏至の後で梅雨の晩期にあたるため雨が多く、最近では集中豪雨などがニュースで話題になる時期です。梅雨が明け始めると?も鳴き始め、いよいよ海水浴や夏休みといった夏の本番が訪れます。
今では温暖化現象で「酷暑」という表現がよく使われますが、実は昔から小暑の時期から酷暑の日が続き、当時の俳句にも暑さに悩まされた様子が詠まれています。
2025年の小暑はいつ？
2025年の小暑は、2025年7月7日（月）です。
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二十四節気（にじゅうしせっき）とは？
二十四節気（にじゅうしせっき）とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。
1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。
四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立（しりゅう）」と呼ばれます。
また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至（しし）」と呼ばれます。
二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。
小暑の第三十一候、第三十二候、第三十三候とは？
二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。
二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、小暑には第三十一候、第三十二候、第三十三候があります。
第三十一候は7月7日から7月11日頃で「温風至（あつかぜいたる）」時期と呼びます。太陽に温められた風が山を越えて乾いた温風になる様子を表しています。今でいうところのフェーン現象を指しているとも言われています。
第三十二候は7月12日から7月16日頃で「蓮始開（はすはじめてひらく）」時期と呼びます。字の通り、夏の花である蓮の花が咲き始める時期を指します。
第三十三候は7月17日から7月22日頃で「鷹乃学習（たかすなわちわざをならう）」時期と呼びます。鷹の雛が巣立ちの準備のために飛び方や獲物の捕り方を学ぶ時期を指します。
小暑の時期に贈られる「お中元」「暑中お見舞い」
小暑は、日頃の感謝の気持ちを込めて贈り物をする「お中元」と、暑さが増す時期のご機嫌伺いをする「暑中見舞い」の時期です。
お中元の起源は古代中国まで遡ります。三元と言われる1年に3回神様をまつる風習が仏教と結びついて日本に流れ、日本では先祖の霊の供養の一環として親類へお供え物を配る風習へと変化していきました。
これが江戸時代に入ってから親類やお世話になった方へ感謝の気持ちを込めて贈り物をする風習へと変わりました。贈る時期は地域によって差がありますが、7月の頭から15日までが一般的です。
暑中見舞いは、年賀状と並ぶ季節の挨拶状の1つです。
お盆に里帰りする時に先祖の霊を供養するお供え物を持参する風習が簡略化され、手紙に変わったことが由来と言われています。送る時期は小暑から大暑までか、夏の土用（7月下旬から8月上旬）の時期が一般的です。
小暑の行事や風習とは？
小暑に行われる行事や風習は、昔からお中元や暑中見舞い以外にも数多くあります。
まずは、7月7日の七夕です。
七夕は古代中国の牽牛星と織女星の伝説や「乞巧奠」という行事に、日本の風習が交わって、今の笹の葉に願い事を書いた短冊をつるす形に変わっていったと言われています。日本でも各地で七夕祭りが開催されています。
7月第3月曜日は、海の日です。
海の恩恵に感謝し、海洋国である日本の繁栄を祈願するという趣旨で国民の祝日に制定されました。
また、7月1日から7月31日は、海の月間です。
“暑さをうち払う”という目的の暑気払いも小暑に行われます。体を冷やす食べ物を食べたり、宴会を開いたり、川遊びなどをして体内に溜まった熱気を取り除きます。
小暑の旬の食べ物とは？
小暑に旬を迎える食べ物といえば、トウモロコシや桃が有名です。
採れたてのトウモロコシは柔らかく、皮付きのままレンジでチンをするだけでちょうど良い蒸し加減になってそのまま食べられます。
実はスイカやマンゴーも小暑に旬を迎え、店頭で見かけるようになります。
野菜では他にも枝豆が食べ頃を迎え、この時期の暑気払いとしても飲まれるビールのおつまみに添えられることが多いです。
魚では鰻や鱧が旬を迎えます。
鱧は大阪や京都の夏の風物詩となり、季節限定の食べ物として見かけるようになります。
小暑の旬の花や植物とは？
小暑に見頃を迎える、夏の訪れを感じさせてくれる花は、蓮です。
水面から顔を出した大きな葉や、大輪のピンクの花が特徴的です。蓮は早朝に開花し、午前のうちに花を閉じてしまうので、蓮が満開の様子をとらえるには朝7時から9時頃がおすすめです。
アロマオイルやさまざまな製品の香りに使われているラベンダーも小暑に見頃を迎えます。独特な強めの香りはリラックス効果があるとされています。
また、スイーツのような濃く甘い香りが特徴のクチナシも、小暑に咲く初夏の花として有名です。
小暑の過ごし方とは？
小暑はすでに夏本番と変わらぬ日差しの強さと暑さを感じる時期ですが、七夕やお中元、暑中見舞いなどの古くからの風習に加え「暑気払い」や「夏祭り」など、多彩な行事が行われます。
昨今は温暖化の影響で酷暑の日が多いですが、体を冷やしてくれる小暑の旬の食べ物を食べたり、川遊びやビアガーデンなどの酒宴に参加して暑気払いをしたりして、うまく暑さを逃して楽しく過ごしましょう。
夕涼みや夏祭りには、涼しい浴衣を着て出かけてみるのも良いでしょう。浴衣は、蒸し風呂しかなかった時代の入浴時に着用する「湯帷子」からきた伝統的な衣です。暑い時期にしか着ない衣なので、夏の思いで作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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