ここ最近、TVや雑誌などで頻繁に見かけるようになった「アンニュイ」という言葉の正しい意味や使い方ってご存じですか?
実際は随分昔からある言葉なので、言葉自体や何となくのニュアンスは知っている、という人は多いものの、正確な意味や使い方について教えて、と言われると回答に困ってしまうかもしれません。
使えたらかっこいい気がするこの言葉。
そこで今回は「アンニュイ」の意味や正しい使い方についてお伝えしていきたいと思います。
目次
「アンニュイ」という不思議な言葉
まずは、案外知らない「アンニュイ」という言葉の正確な意味をご説明します。
「アンニュイ」は、実はフランス語でennuiと書き、退屈や倦怠感を表します。
日本ではその人や物が醸し出す雰囲気や存在の在り方のような、いわゆる「目に見えない部分」を表す単語として使われます。
そして誰もがそう思う、というものではなく、どちらかというと個人の主観的な観点から使われることが多いようです。
現在、私たちのアンニュイの使い方は大きく2パターンあります。
「アンニュイ」の言葉の意味1
まず1つ目の意味は「神秘的」や「ミステリアス」というもの。
倦怠感を抱えていたり、退屈していたりすると何を考えているのかわからない表情をすることが多いですよね。
本人はぼーっとしているだけかもしれませんが、その何とも言えない物憂げな表情がとても魅力的に感じられる時に「アンニュイ」という言葉が当てはめられるよう。
一般的には、どちらかというとポジティブな意味合いで使われています。
確かに「アンニュイなメイク」や「アンニュイな雰囲気」と言われれば、何となく謎めいていて妙に惹かれてしまうイメージがありますね。
「アンニュイ」の言葉の意味2
2つ目の意味は「物憂げ」や「倦怠感」というもの。
これは先ほどもお伝えした、語源であるフランス語のennuiの意味そのままです。
フランス語では「倦怠感」「退屈」「物憂さ」という意味を持ち、しかもどちらかというとネガティブで暗いイメージで使われています。
実際、フランスではネガティブな意味でしか使われないようです。
アンニュイの良いイメージしか浮かばない人は、つまらなそう、とか、だるそう、ずっと何かに悩んでそう、というふうに現代語っぽく言い換えると理解しやすいかもしれませんね。
文学作品には比較的見られる表現です。
「アンニュイ」の言葉の注意点は?
「アンニュイ」という言葉の意味を2パターン、ご紹介しました。
現在はどちらかというと最初のように「ミステリアス」「神秘的」のような、どちらかというとポジティブな意味で用いられることが多いのですが、当然、フランス語本来の意味で使われることもあります。
本来の意味で使われていれば「倦怠感」「退屈」のようにネガティブな意味になります。
文脈や状況によってニュアンスが変わってくるので、その意味をきちんと理解し、意識して使うことが大切です。
「アンニュイ」という言葉の正しい使い方を紹介
では、実践編に移りましょう!
ここでは「アンニュイ」という言葉の具体的な使用例についてご紹介したいと思います。
まずは良いほうの意味を使ったものからスタートです。
スモーキーカラーのように曖昧な色合いをしたアイテムを使い、どこか緩さのあるファッションは「アンニュイなファッション」と表現されます。
同様に、スモーキーカラーやくすみ系のアイテムを使用し、アイラインを引かず曖昧に仕上げるようなメイクは「アンニュイなメイク」と表現されるでしょう。
「アンニュイな女性(男性)」というふうに言うと、神秘的な雰囲気をたたえた、妙に惹きつけられる素敵な人、という印象を表すことができます。
次はネガティブな意味を使った表現方法です。
何となく物憂げでだるい気分、やる気が出ない時などは「今日はアンニュイな気分」という使い方ができます。
また、何となくやる気のない、物憂げな表情をしている人を指して「アンニュイな感じだね」という言い方もできますね。
「アンニュイな雰囲気」ってどんな意味?
「アンニュイ」という言葉を使うワードとして一番耳にするのが「アンニュイな雰囲気」だと思います。
人に対してこの言葉を用いる場合は、「落ち着いた印象の人」「ミステリアスな雰囲気の人」のような意味になります。
だからこそ惹きつけられる、だからこそ魅力的、というように続くので、ポジティブな意味合いが多大に含まれています。
日本にいて、日本人から「アンニュイな雰囲気だね」と言われた場合は、誉め言葉と認識してもOK。
「アンニュイ」の類語は?
最後に「アンニュイ」と同じような意味を表す類義語についてご紹介したいと思います。
「アンニュイ」には大きく2つの意味があるということはお伝えしましたね。
だから魅力的、と後に続くようなポジティブな意味合いで使われる場合には「神秘的」「謎めいた」「ミステリアス」や、静かなさまを表す「静穏」、何かに縛られず自由な雰囲気を持つ「自然体」などの言葉が類義語といえるでしょう。
フランス語さながらにネガティブな意味合いも含まれている場合には楽しくない、つまらないという意味の「憂鬱」「退屈」、だるさを表す「倦怠感」などの言葉が類義語といえるでしょう。
物憂げ、という言葉もありますが、これはポジティブにもネガティブにも捉えられる曖昧さを持ったものなので、どちらの意味で使われているか悩む時に言い変えたい時にはこれを使うと安心です。
最後に
ここまで「アンニュイ」という言葉について、その2つの意味や使い方についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
アンニュイにはポジティブな意味とネガティブな意味があり、上手に使えば誉め言葉になります。
「アンニュイ」という言葉を使う際には、使用する状況や対象をよく見極めて使うようにしてくださいね。
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