蛙化現象とは?意味や由来、なりやすい人の特徴・対処法を解説

蛙化現象とは?

蛙化現象とは「かえるかげんしょう」と読み、突然“好き”という気持ちが変わってしまう現象を指します。

たとえば、片思いの相手から好意を返されると、なぜか途端に相手に嫌悪感を抱いてしまうような現象です。

不可解な現象ですが、実はそれほど珍しい現象ではなく、男女ともに一定数の人がこの現象を経験しています。

以前は女性に多い現象とされていましたが、2020年に行われた大学生を対象にした恋愛調査では、なんと20%前後の男女が蛙化現象を経験していると答えました。

蛙化現象は昨今の「20歳以上の交際経験なしの人数」の増加の一因とも考えられます。

若者の間で使われる蛙化現象の意味は?

恋愛感情の不思議な変化を示す蛙化現象ですが、今ではさらに軽い意味で使われるようになり、若者の間では「単に気持ちが急に冷めた時」にも使われるようになりました。

たとえば相手のダメな一面を見たり、些細な言動があったりしてから「やっぱり好きじゃないかも」とガラッと気持ちが変わることがあるようです。

好意を受けて嫌悪感を抱く場合と少し異なりますが、こうした気持ちの変化をまとめて蛙化と呼ばれるようになりました。

蛙化現象の由来は?

蛙化現象は、グリム童話の「カエルの王様」に出てくる、蛙に変身させられた王子様が由来になっています。

蛙になった王子のことを王女は最初嫌っていましたが、時間を重ねるうちに2人に心の変化が訪れ、やがて王子が人間に戻った後に2人が結ばれるというストーリーでした。

この話の展開から「気持ちがガラッと変わる」「予想外の展開が起きる」という現象の名称として使われるようになっていったようです。

童話ではハッピーエンドでしたが、現代では残念ながら、アンハッピーエンドの場合に使われることが多いといえます。

反対語の言葉である蛇化現象とは?

蛙化現象の反対語で、蛇化現象というものがあります。

蛇は狙った獲物に巻き付いて時間をかけて捕食するハンティングスタイルから、執着の象徴とされています。

そうした蛇の執着の様子から、「好きな人のすることは何でも素敵に見える」という盲目的な恋愛心理を指す時に「蛇化現象」と呼ばれるようになりました。

蛙化現象と真逆の意味を指す蛇化現象ですが、TikTokerのこちゃもちゃ氏が作ったことが由来とされています。

蛙化現象が現れると、どうなる?

ここまで蛙化現象の具体的な意味について解説しましたが、実際蛙化現象が現れると、どうなるのでしょうか? 具体的にご紹介します。

現象1.好意を向けられると嫌悪感が出てしまう

相手から好意を向けられると同時に、「相手から自分は性的な対象として見られているかもしれない」と意識して、途端に相手に対し嫌悪感を抱くケースがあります。

それまで素敵だなと思っていた相手の笑顔も「気持ち悪い」と感じてしまい、自分ではどうしようもなくなるのだとか。

顔を合わせたり、一緒にいたりするだけで、イライラしたり、不快感を抱いたりしてしまうなどの強い拒否反応が出る場合もあります。

現象2.スキンシップが生理的に受け付けない

好きな人に触れ合いたいと思うのは、恋愛心理として自然なことです。

しかし、想いが通じ合った途端に相手との触れ合いが「嫌だ」「気持ち悪い」「離れたい」と感じたなら、もしかすると心の中ですでに蛙化現象が起きているのかもしれません。

スキンシップは相手への好意を示す行為であると同時に、「性的な関心がある」ということを示す行為でもあるので、蛙化現象が起きている人にとっては余計に生理的に受け付けなくなるようです。

現象3.顔を合わせるのが嫌になる

蛙化現象が起こると、相手と顔を合わせることにも、嫌悪感を抱くようになります。

SNSなどで、顔を合わせずにやりとりをするぶんには問題ありませんが、顔を合わせて、相手が手の届く範囲にいると、嫌な気持ちが増してしまう…というのも蛙化現象の特徴です。

ここまでくると、最低限のコミュニケーションを取ることすら困難になってしまい、相手を避けざるを得ないので日常生活にも支障が出てしまうこともあります。

蛙化現象が起きてしまう原因は?

それでは蛙化現象が起きてしまうのは、なぜなのでしょうか? ここからは原因について解説していきます。

原因1.相手を美化しすぎているから

片思い中に想いが募り、空想の中で相手を美化してしまいがちな人は、蛙化現象に陥りやすいと言われています。

主に、恋に恋する人や、漫画やドラマの恋に憧れる人が、このパターンにハマってしまいやすいようです。

自分の中で作り上げた相手へのイメージが、実際の相手の姿よりも高くなってしまい、いざ手が届く範囲にきた途端現実を直視させられ、理想と現実のギャップに悩み、勝手に相手に幻滅して嫌悪感を覚えてしまうのです。

原因2.両想いになる過程が楽しいから

人によって恋愛スタイルは千差万別ですが、なかには恋愛のゴールである「両想い」よりも、片思い中のドキドキ両想いに至るまでの過程に重きを置く人もいます。

恋愛ドラマなどで主人公たちがすれ違う様子に切なさを感じたり、両片思いのもどかしさにキュンキュンしたりなど、恋愛の醍醐味が大好きな人は要注意かもしれません。

また、「両想い」というゴールに到達し、「次の目標がなくなって冷めた」というケースもあるようです。

原因3.恋愛を受け身に捉えているから

恋愛を受け身に捉えている人も蛙化現象に陥りやすいと言われています。

恋愛は相手と2人で育むものですから、相手からの愛情や優しさを受け取るだけではなく、自分からも同じものを返さなくてはなりません。

一方的に享受することだけを期待しているから、想像通りに動かない相手に失望して冷めてしまうのです。

自分が何をしてあげられるかを考えていないプリンセス・プリンス的な思考が蛙化現象の原因の1つといえます。

蛙化現象になりやすい人の特徴は?

それでは蛙化現象になりやすい人には、どのような特徴が見られるのでしょうか?

思い当たる方は、自分が当てはまっているかどうか、チェックしてみてください。

特徴1.恋愛経験が少ない

恋愛経験が少ない人は蛙化現象に陥りやすい傾向があります。

一方的に相手に期待したり、想像を膨らまして理想が高くなったりなど、恋愛への過度な期待が蛙化現象を引き起こす要因の1つになっています。

それゆえ、生身の人間との恋愛的なやりとりや、恋愛の現実を知らない人は理想と現実とのギャップが生まれやすく、蛙化現象を起こしやすくなるのです。

また両想いの先の未来がわからないという不安も大きいかもしれません。

特徴2.恋愛にトラウマがある

これまでの恋愛で、両想いになったのにうまくいかず別れてしまうなどの苦い経験がある人は「また同じことを繰り返すかも」と不安になり、どうしていいかわからずに相手から逃げてしまうケースもあるようです。

相手に好意を向けられたことで過去の恋と重なり、傷ついた心が疼くのです。

過去の失敗を乗り越えられていない人、また、失敗の原因を解明&解決していない人は、何度も蛙化現象を起こしてしまう可能性があります。

特徴3.恋愛への理想が高め

恋愛への理想が高い人も、いざ交際が始まると理想と現実の落差を受け入れられずに興ざめしてしまいがちです。

恋愛ドラマや漫画をたくさん嗜んで「こういう恋愛がしたい」「こういう風に愛されたい」というイメージがすでに固まっている人は、相手がどんな人であっても理想のかたちに当てはめようとしてしまいます。

また不満げな態度でい続けるあなたに相手もしびれを切らし、より関係が悪化して冷めてしまうこともあるでしょう。

特徴4.2次元・アイドルが好き

恋愛や恋人の理想が高くなってしまう大きな要因として、2次元のキャラクターやアイドルが好きというものがあります。

人間離れした2次元のキャラクターやアイドルの美しさに惹かれてしまう人は、現実の恋愛のハードルも上がりがちです。

なかなか理想に叶う相手を見つけることはできないでしょう。

2次元のキャラクターやアイドルは理想的なかたちとして整っていますから、現実の人間が生々しく見えて嫌悪感を抱いてしまうのです。

特徴5.自己肯定感が低め

恋愛への理想が高かったり、相手への期待が大きいゆえに失望してしまったりする人がいますが、反対に自己評価が低すぎて「こんな自分を好きになるなんて信じられない」「自分を好きになる人は信用できない」という考え方をしてしまう人がいます。

通常は自分を認めてもらえたら嬉しいものですが、こうした考え方をしてしまう人は自己肯定感が低いことが大きな原因でしょう。

また相手の期待に応えられないという不安も大きいようです。

男性でも蛙化現象になる?

冒頭でお話ししたように、アンケート結果から、男女問わず蛙化現象に陥る可能性があります。

恋愛経験が少なかったり、理想が高かったり、2次元やアイドルが好きな人は男女どちらにもいるので、男性だからと言って蛙化現象が起きない保証はありません

とはいえ、男脳と女脳の違いにより、どちらがより蛙化現象を起こしやすいかというのはあります。

男性は「結果を重視」する考え方が多いのに対し、女性は「結果に至るまでの過程を重視」する人が多いため、恋の過程に重きを置く女性は、#男性と比べて蛙化現象のリスクが高いといえます。

蛙化現象を治すには? 対処法を解説

それでは蛙化現象を治すには、どうすればいいのでしょうか? 最後に具体的な対処法を7つご紹介していきます。

対処法1.自分を大切にする

蛙化現象の要因の1つは自己肯定感の低さです。

それゆえ、対処法としてまず大切なのは、自分を認め、受け入れてあげることです。

自分を受け入れるというのは長所だけではありません。

あなたらしさが現れる、短所まで受け止めてあげましょう。

自分を責める心を捨てることで思考や視点まで変わっていきます。

1日1つは自分のいいところを見つけて褒めてあげましょう。

小さな自信の積み重ねが自己肯定感に繋がります。

対処法2.交友関係を広げる

普段から異性との接触が少ない環境にいたり、もともと恋愛経験が少なかったりする人は、まずは交友関係を広げて異性とのコミュニケーションを増やすところから始めましょう。

恋愛に対する認識のズレや、未知への恐怖や戸惑いが、蛙化現象を引き起こす原因となってしまいます。

生身の人間と触れ合い、理解を深めることで、理想と現実のギャップや異性への恐怖が和らいでいくはず。

恋愛からいったん離れることで、心にも余裕ができます。

対処法3.自分磨きに力を入れる

自己肯定感が低い人は、自分磨きから始めるのもおすすめです。

髪型を変えてみたり、新しいファッションやメイクに挑戦したりするだけでも構いません。

また外見だけでなく、資格の勉強をしたり、気になっていた習い事を始めたりなど、内面の自分磨きも大切です。

小さな革新的一歩を積み重ねていくうちに、自己肯定感が高まっていくはず。

自分がレベルアップすることで、相手にも臆せず向き合えるようになります。

対処法4.恋愛以外の時間を楽しむ

いっそのこと恋愛から完全に離れて恋愛以外の時間をしっかり楽しむことも有効な手段です。

悩みにずっと向き合い続けていても、気が滅入ったり、自分を追いこんだりしてしまいます。

嫌なことを頭から追い出して他のことに集中したり、楽しんだりすることで前向きな気持ちも生まれやすくなりますし、新しい考え方を得て、恋愛や相手に対する見方も変わるかもしれません。

また、その中で異性への理解が深まる可能性があります。

対処法5.相手に正直に伝える

蛙化現象に陥ったら、ここは素直に相手に正直な気持ちを伝えるのも1つの手です。

本当は生理的に受け付けなくなっているのに、我慢して好意を抱いているフリを続けるのは、心身に余計な負担をかけてしまいます。

その我慢はただ嫌な気持ちを増幅させてしまうだけとなり、悪循環です。

もし、自分の自信のなさや突然の変化による戸惑いに起因するものなら、焦らず時間をかけて相手と交流することで解消されていきます。

対処法6.相手の良いところに注目する

一度、蛙化現象が起こると、相手の欠点ばかりに目がいってしまいます。

嫌いなところばかりを見ていたら、そこから気持ちが浮上することはないでしょう。

また、蛙化現象によって「本来好きだった部分」も見えなくなっている恐れがあります。

そうして相手への嫌悪感がさらに増してしまうのです。

少し心を落ち着けて相手の良いところを再確認しましょう。

どんなところに惹かれたかを思い出せば、正常な判断力が戻る可能性があります。

対処法7.一時的に相手との距離を置く

蛙化現象により、どうしても相手と一緒にいることが辛く感じるなら、一時的に相手との距離を置くほうが心を落ち着けて冷静に考えられます。

また、蛙化現象を抜け出すには原因を突き止めて解消する必要があります。

相手と物理的に離れることで自分と向き合う時間が取れ、なぜ嫌な気持ちになるのかを探ることができます。

原因を解消できたら相手を好きな気持ちが戻るかもしれません。

蛙化現象を克服して、素敵な恋愛をしよう

蛙化現象の注意すべき点は、嫌悪感を抱いている本人が、原因がわからず悩んでしまうところです。

今回解説した蛙化現象の特徴と原因を理解すれば、相手や自分を責める気持ちがなくなり、悩みが解消されるかもしれません。

自分の心と向き合い、少しずつ考え方を変えていけば、楽しく素敵な恋愛ができるようになるでしょう。

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