二十四節気「霜降(そうこう)」とは?意味や由来、行事を解説

霜降(そうこう)とは?

霜降とは、二十四節気の1つで、秋から冬にかけての時候を表す18番目の二十四節気です。

朝露が冷気によって冷やされ霜に変わる時節を指し、それゆえ“霜が降りる”と書きます。

時期としては、朝晩の冷え込みが一層厳しくなり、秋に終わりが近づく10月下旬から11月初旬頃を指します。

霜降は秋の最後の二十四節節気で、霜降が終わると立冬となり、いよいよ冬を迎えます。

この頃になると草木は枯れ始め、山は紅葉で色づき始めます

冬に向けて気温もグッと下がり始めるため、暖房器具の準備や、コートなどの厚手のアウターを引っ張り出して、いよいよ本格的に冬支度を始める時期に入ります。

2024年の霜降はいつ?

2024年の霜降は、2024年10月23日(水)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

霜降の第五十二候、第五十三候、第五十四候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、霜降には第五十二候、第五十三候、第五十四候があります。

第五十二候は10月23日から10月27日頃で「霜始降(しもはじめてふる)」時期と呼びます。文字通り霜が初めて降りる時期を指します。ちなみに、昔は雪のように空から霜が降ってくると考えられていたため、霜が“降りる”と言われるようになりました。

第五十三候は10月28日から11月1日頃で「霎時施(こさめときどきふる)」時期と呼びます。通り雨のようにパラパラと雨が降ったかと思えば、すぐに晴天となる時期を表しています。

第五十四候は11月2日から11月6日頃で「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」時期と呼びます。文字通り、楓や蔦が紅葉し色づき始める頃を表しています。

霜降の時期に行われる『酉の市』とは?

『酉の市』とは、毎年11月の酉の日に日本全国の鷲神社で催される例祭です。

日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征に赴く際、鷲神社で戦勝のお礼参りをしたことが酉の市の始まりと言われています。このことが由来で、日本武尊は鷲神社の祭神となっています。

日本武尊が神社に立ち寄った際、社の前の松の木に武具の熊手を立てかけたことから、酉の市では縁起物として熊手が販売されるようになりました。

熊手には商売繁盛や開運などの願いが込められており、特に商売をしている方々が翌年の幸福を願って熊手を買い求める姿がよく見られます。

霜降の行事や風習とは?

霜降の時期では、読書週間ハロウィンが行われます。

毎年10月27日から11月9日は読書週間とされ、読書を推奨されています。

これは終戦まもない昭和22年に「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という思いから始まった習慣で、やがて全国に拡がっていきました。

10月31日には、今や全国規模のイベントとなったハロウィンがあります。

ハロウィンは先祖や親しい死者たちがこの世に戻ってくる古代ケルトの行事「サウィン祭」が由来で、便乗して災いをもたらそうとやってくる悪霊から身を守るために仮装する文化が現在のハロウィンの仮装へと繋がっています。

霜降の旬の食べ物とは?

霜降に旬を迎える食べ物として、鮭や柿、銀杏があります。

霜降の時期の鮭は「秋鮭」と呼ばれ、産卵のために川に戻ってくるため、脂が控えめでさっぱりとした味わいを楽しめます。産卵を控えているためイクラや白子も旬を迎えます。

秋の果物の代名詞といえるも霜降に旬を迎えます。1年で一番身が詰まってジューシーな柿が味わえる時期で、酸味が少ないため、マリネなど料理にして食べることもできます。

茶碗蒸しによく入っている銀杏もこの時期によく獲れます。イチョウの木になる実で、種の中の「仁」と呼ばれるところを食べます。

霜降の旬の花や植物とは?

霜降に旬を迎える花としては、古くから日本に自生している「紫式部」があります。

もとは紫色の実がたくさん生るという意味で「ムラサキシキミ」という名前でしたが、あまりにも美しい姿から、平安時代の女流作家・紫式部の名がつけられたと言われています。

花言葉は人物の紫式部にちなみ「上品」や「聡明」、そして源氏物語の光源氏にちなみ「愛され上手」などがあります。

また、シクラメンも霜降に花を咲かせます。ピンクや赤など華やかな色合いの花弁が特徴的で、寒い時期に代表される花です。

霜降の過ごし方とは?

霜降は秋が深まり気温がグッと下がる時期なので、本格的な冬支度を整えていきましょう。

また、秋の夜長に読書を楽しんだり、登山をしながら紅葉を楽しんだり、秋を満喫しましょう。

紅葉は、朝の最低気温が一般的に摂氏8℃を下回る日が続くと始まると言われています。それゆえ、朝晩の冷え込みが厳しくなる霜降がちょうど紅葉の時期と重なるのです。

山が燃えるように色づくのは1年でこの時期しかないので、寒さで縮こまりがちな身体を動かしに行楽に出かけてみてはいかがでしょうか。

また、霜降は秋の味覚を楽しめる最後の時期です。実りに感謝をしながら、冬に向けて身体に栄養をしっかり蓄えておきましょう。

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