二十四節気「立夏(りっか)」とは?意味や由来、行事を解説

立夏(りっか)とは?

立夏とは、二十四節気の1つで、穀雨の次に来る、夏の時候を表す7番目の二十四節気です。

「立」は新しい季節の始まりを表す漢字で、「立」が入る立春・立夏・立秋・立冬「四立(よんりつ)」と呼ばれ、暦の上でそれぞれの季節の始まりを意味しています。

つまり立夏は、「夏の始まり」「夏の兆しが見え始める頃」という意味を持つ節季となります。

立夏になると陽気が増し、日差しが強くなって気温も徐々に高くなります。暦の上では夏になりますが、まだまだ本格的な夏には遠く、風が光り新緑がきらめく爽やかな季節です。

熱くも寒くもない気候で湿度も低く、1年の中で最もお出かけに適した時期といえます。

2025年の立夏はいつ?

2025年の立夏は、2025年5月5日(月)です。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。

1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。

四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。

また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。

二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

立夏の第十九候、第二十候、第二十一候とは?

二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。

二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、立夏には第十九候、第二十候、第二十一候があります。

第十九候は5月5日から5月9日頃で「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」時期と呼びます。冬眠から目覚めた蛙が活動を始め、オスがメスを求めて鳴き始める頃を表しています。

第二十候は5月10日から5月14日頃で「蚯蚓出(みみずいづる)」時期と呼びます。冬眠から目覚めたミミズが活動を始め、土の中から出てくる頃を表しています。

第二十一候は5月15日から5月19日頃で「竹笋生(たけのこしょうず)」時期と呼びます。暖かくなり、筍が土の中から顔を出し始める頃を表しています。

立夏と立秋の関係は?

立夏と立秋は、前述したように季節の始まりを意味する四立です。暦の上では、立夏から立秋までが夏となります。

しかし、現在のカレンダーで考えると立夏は5月5日頃、立秋は8月7日頃にあたるため、実際の気候や肌感覚では立秋のほうが夏真っ盛りで、1年で一番暑い時期になります。

そのため、言葉のイメージだけで考えると立夏と立秋は実情とあべこべになり混同しやすくなるので、注意しましょう。

また、立秋を過ぎると「残暑」と言います。立秋を境に暑中見舞いから残暑見舞いに変わるので、時候の挨拶として覚えておくと良いでしょう。

立夏の行事や風習とは?

立夏の行事といえば、5月5日の「こどもの日」です。もともとは男児の誕生を祝うとともに、健やかな成長を祝う行事として「端午の節句」と言われていました。

古代中国では月と日に同じ奇数が重なる日は忌み日とされ、邪気を祓うために様々な行事が行われてきました。

5月5日もその中の1つで、初めの午の日という意味で「端午の節句」と名づけられ、それが日本に伝来して厄除けの儀式として端午の節句を祝うようになりました。

昭和23年に5月5日は男女別なくこどもの成長や幸せを願う日として「こどもの日」という国民の祝日が制定されました。

また、母に感謝の気持ちとともにカーネーションを贈る「母の日」も立夏の頃に行われます。

立夏の旬の食べ物とは?

立夏の旬の食べ物といえば、野菜ではにんじんが挙げられます。

にんじんには免疫力を高めてくれるカロテンが豊富に含まれており、夏を迎えるにあたり体を丈夫にする栄養のある食べ物として重宝されてきました。

そら豆もこの時期に旬となり、鉄分やたんぱく質、ビタミンなど豊富な栄養があります。

また立夏の行事である端午の節句には柏餅が食べられます。

夏の新葉が出る頃に古葉が落ちる様を用いて、餅に柏の葉を巻いて「跡継ぎができた」という祝福の意味が込められているそうです。

立夏の旬の花や植物とは?

立夏の旬の花や植物といえば、躑躅(つつじ)が挙げられます。

紅や紫、白色などの華やかな花を咲かせます。満開の頃には葉や枝が花で覆い尽くされるほどのボリュームになり、まるで大きな花束のように見えて一層華やかになります。

他にはスイートピーも旬を迎えます。

スイートピーは同じマメ科の植物であるエンドウの花と似ていることから、「sweet pea=香りの良いエンドウマメ」が名前の由来になっています。ちなみにエンドウも立夏の旬の植物です。

立夏の過ごし方とは?

立夏は薫風が吹き、新緑が輝き、色鮮やかな花が咲き誇る美しい季節です。

過ごしやすい気温で晴れの日も多いため、ハイキングやキャンプなどアウトドアを楽しんで初夏を堪能するのがおすすめです。

また、立夏にはこどもの日や母の日など、子の誕生と成長、そして子育てに感謝をし幸福を祈る行事があります。

これらの行事を機に感謝の気持ちを家族に伝えてみるのも良いのではないでしょうか。

また、立夏は昔、伝染病がよく流行っていたため、薬草の菖蒲湯に浸かったり、菖蒲を浮かべたお酒を飲んだりして邪気を祓っていました。

心身の調子を整えるために、そうした邪気祓いをしてみるのも良いでしょう。

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