小寒(しょうかん)とは?
小寒とは、二十四節気の1つで、本格的な冬の時候を表す23番目の二十四節気です。
小寒は、字から意味を考えると「寒さが小さくなった」=「寒さが和らいだ」ように汲み取れますが、そうではありません。
さらに寒さが増す次の二十四節気「大寒」の前段階の時期であることから、「小寒」と言われるようになりました。
「小寒」「大寒」と冬の冷え込みが最も厳しくなる時期をまとめて、小寒の初日を「寒の入り」と呼びます。天気予報やニュースで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ただ、実際は地域や気象状況によっては小寒のほうが寒さが厳しいこともあり、故事にも「小寒の氷、大寒に解く」という言葉があります。
2025年の小寒はいつ?
2025年の小寒は、2025年1月5日(日)です。
目次
二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、紀元前の中国で太陽暦を使用していた時代に、季節を表すものとして太陽の動きに基づいて誕生した概念です。
1年を「春・夏・秋・冬」の4つの季節に分類し、さらにそれぞれの季節を6つに分け、合計24等分したものに名称をつけたものです。それゆえ、二十四節気と名付けられました。ちなみに、「節」は中国語で「区切り」の意味があります。
四季の始まりを表す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は二十四節気の「四立(しりゅう)」と呼ばれます。
また1年で最も日が短い「冬至」、1年で最も日が長い「夏至」、昼と夜の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼ばれ、この4つは「四至(しし)」と呼ばれます。
二十四節気は1年の変化の法則を定めたものとして、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。
小寒の第六十七候、第六十八候、第六十九候とは?
二十四節には四季よりもより細やかに季節の移ろいを表す七十二候があります。
二十四節の1節をさらに約5日ごとに3等分し、1年を七十二に分けたもので、小寒には第六十七候、第六十八候、第六十九候があります。
第六十七候は1月5日から1月9日頃で「芹乃栄(せりすなわちさかう)」時期と呼びます。七草粥にも使われる芹がたくさん茂るようになった時期を指します。
第六十八候は1月10日から1月14日頃で「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」時期と呼びます。文字通り、寒さで凍っていた泉が融け始め、水が動き始める時期を表しています。
第六十九候は1月15日から1月19日頃で「雉始?(きじはじめてなく)」時期と呼びます。早春に発情期を迎えるオス雉が、メスを求めて鳴き始める時期を表しています。
小寒の時期に出す「寒中見舞い」とは?
小寒は寒中見舞いを送る時期にあたります。
小寒と次の節気・大寒を合わせた時期を「寒」「寒中」「寒の内」と言い、その時期に送る挨拶状であることから寒中見舞いと言います。
寒中見舞いでは一層寒さが厳しくなる時期に際して体調を労わる言葉を添えて近況を尋ねます。
「寒中お見舞い申し上げます」と書き始め、「寒さが一層厳しくなりますがご自愛ください」などと先方の健康を気づかう言葉を添え、自分の近況などを報告します。
小寒は年賀状を送り合う時期の後の節気であることから、年賀状をもらったけれど出せなかった人への返事や、喪中の人への年始の挨拶代わりに使われています。
小寒の行事や風習とは?
小寒の行事で一番有名なのが、毎年1月7日に行われる、七草粥を食べて邪気を払って1年の無病息災を願う風習です。
七草とはこの時期に茂る春の七草のセリ、ナズナ(ぺんぺん草)、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(かぶ)、スズシロ(だいこん)を指します。
また、1月11日は鏡餅を割って食べる「鏡開き」が行われます。
神様にお供えした鏡餅は神聖なものとされ、それを頂くことで無病息災になると言われています。「割る」「切る」は忌み言葉のため、「開く」という言葉が使われています。
また、健康のために寒い時期に体を鍛える方法としてよく聞く「寒中水泳」や「寒稽古」も小寒や大寒に行われる風習です。
小寒の旬の食べ物とは?
1年で最初の満月を迎える小正月の1月15日には、小豆粥を食べる風習があります。
小豆には古来より邪気を祓う効果があるとされ、地域によっては七草粥の代わりに食べることもあります。
小寒に食べ頃を迎えるのは、フグとブリです。
フグは産卵前で脂が乗っており、ブリは産卵と越冬のために栄養を蓄えていて脂が乗っていて一番美味しい時期です。ちなみに、この頃に獲れる脂が乗ったブリを「寒ブリ」と呼びます。
小寒の旬の花や植物とは?
小寒に旬を迎える植物の1つは、南天です。
南天は「難を転ずる」と言われ、縁起の良い木として昔から重宝されてきました。お正月飾りやお節料理の色どりに使われているのもそのためです。
もう1つは柊です。
柊は「木」に「冬」と書く、冬の季語です。棘のように葉が鋭くとがっており、これに触れると「疼ぐ (ひいらぐ) = 痛む」ことから名づけられたと言われています。
ほかには、福寿草が盛りを迎えます。
小さな菊のような見た目で、旧暦のお正月頃に咲き始めます。お正月飾りにも使われるので「元日草」とも呼ばれています。
小寒の過ごし方とは?
小寒と大寒を合わせた「寒の内」は1年で最も寒さが厳しくなる時期です。
寒さに縮こまっていると免疫力が下がるため、昔からの風習のように、あえて外に出て体を動かして体調を整えるのも1つの手です。
お正月で美味しいものをたくさん食べた体をリセットする時期でもありますから、運動やスポーツはおすすめです。
また、小寒の時期の澄んだ空気や水は悪いものがなく、良い霊力が宿っていると昔から考えられてきました。
冷たい外気や水などにあえて触れることで体調だけでなく気持ちまでシャキッとさせることができ、本格的に忙しくなっていく年始の仕事を乗りこえることができるのではないでしょうか。