
マウントとは?
マウントとは「マウントを取る」を短縮した言葉で、相手よりも自分のほうが上にいる、優位に立っているということを本人および周囲に見せつけるかのような言動のことです。
その言動はいろいろですが、自分が明らかに相手より勝っていると思う内容に特化しており、ファッション、スタイル、モテ度、学歴、収入、そして自分以外の家族の役職、エリート度、実家のお金持ち度など多岐にわたります。
これを本人の前だけではなく、周りに人がいるところを選んで行う、計画的な人もいます。
また、一度ならず何度でもしつこく、会うたびにマウントを取ってくることもあります。
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もともとのマウントの意味は?
マウントのもともとの意味は、動物が行うマウンティングのことです。
交尾の時にオスがメスの上に乗ることはもちろんですが、交尾以外の時にも同性同士でも、自分のほうが優位にいるということを表すためにマウンティングをすることから、優位に立つことを「マウントを取る」と言うようになりました。
また、それ以外にも格闘技などで相手の上に馬乗りになることを「マウントポジション」と表現しますが、これもマウントの語源になったと言われています。
その他、マウントには物を乗せる台座や、カメラのレンズを固定する部分、写真などを貼るスライドなどの意味もあります。
マウンティングする人の特徴と心理を解説
マウンティングする人には、どんな特徴があるのでしょうか。そして、どんな心理でマウントを取るのでしょうか。マウンティングする人の特徴や心理を解説していきます。
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承認欲求が強い
「自分のほうが凄いと認められたい」という、強い承認欲求を持っている人はマウントを取ろうとしやすいです。
自分自身に自信が持てないからこそ、周囲から何とかして認められたい、そのために他人を利用して自分の評価を上げるという手段に出ます。
また、頑張り屋な人ほど承認欲求が高まります。「こんなに頑張っていることを周りに理解されたい」という気持ちが大きくなれば、もっと努力するよりもマウントに走ってしまうわけです。
目立ちたがり屋
自分を周りにアピールしたい、自分をもっともっと見てもらいたいという自己顕示欲が強い、いわゆる目立ちたがり屋はマウントしやすいです。
自分以外の誰かよりも今すぐ、簡単に目立つなら、相手を貶めるのが早いと考えます。そのためには人を蹴落とすことも厭いません。
このタイプは誰かが褒められているとすかさず入ってきては、さりげなく相手のダメなところをあげつらって雰囲気を変え、自分のほうが優れているとアピールしてきます。
自慢したがる
自分が凄いことを誰かに伝えたい、聞いてほしいという自慢話が大好きな人もマウントを取ります。
周りが「凄いね」「いいなあ」と言ってくれそうな話を次々に、それこそ鼻高々に語ります。その自慢も、「ラッキーだったね」で済まされそうなものではなく「私がモテるから」「私が優秀だから」という言葉が裏に透けて見えるようなものが多いです。
他人の自慢話は嫌いで「私のほうがこんな凄いことが」と自慢話を被せてくるのも特徴です。
上から目線で傲慢
世の中が全部間違っている、自分こそが一番正しいという傲慢さがある人もマウントを取ります。
自分が神様であるかのような気持ちを持っており、上から目線で周囲を「わかってない」と全否定します。
自分以外はみんな間違っている、劣っていると思っているので、どれだけ周りから評価されている素晴らしい人がいたとしても、その人の話でさえ聞く耳を持ちません。
自分こそが正しいという傲慢さと上から目線は、さながら独裁者のようです。
主導権を握りたい
自分がその場を仕切るリーダーになりたい、主導権を握りたいと望む人はマウントを取ろうとします。
特に、既にリーダーのような立場の人がいる場合には、自分が疎外されることへの恐怖から、何とかしてその人よりも優位に立とうとします。その手段がマウントを取るというものになります。
本当は自分に自信がなかったり、劣等感が強かったり、自分が認められていないという意識が強かったりすることが裏側にあることが多いです。
劣等感がある
自己肯定感が低く、劣等感が強い人も、その気持ちを隠そうとするためにマウントを取ります。
いつも他人と比較して「自分はダメだ」と思っています。しかし、ダメな自分を認めたくないし、周囲にはダメな人だと思われたくないために、自分よりも劣っている部分がある人を見つければ嬉々としてマウントを取りにいきます。
自分が頑張ることではなく、誰かを貶めることで自分を優位に見せようとする気持ちがかなり強いといえます。
おせっかい
実はおせっかいな人もマウントを取るのが好きな人が多いです。
頼まれてもいないのに自分は詳しいから、と寄っていき「ああしなさい」「こうしたほうがいい」のように何かとアドバイスをし、場合によっては「あなたのために」とごり押ししてくることもあります。
特に人前でやる人が多いのですが、これは周囲に対し自分がいかに優れているか、いかに自分の知識が豊富かということをアピールしているからです。親切ぶってマウントします。
マウントされやすい人の特徴は?
それでは、マウントのターゲットにされやすい人は、どんな人なのでしょうか。いくつかの共通点があるようです。詳しく解説していきます。
素直でおとなしい人
周りの話にうんうんと頷き、特に否定もせず、静かにしているような素直でおとなしい人はマウントされやすいです。
何を聞かれても隠すことなく素直に答えてしまうので、相手にマウントするための情報を与えやすく、また、あれこれ言われても否定せずに黙っているので、相手が調子に乗ってしまいます。
「この人は何を言っても別に怒らないよね」と軽んじられる印象になり、都合の良い人と思われてターゲットにされやすいです。
自己主張をしない人
自分の考えとは異なることがあっても周囲の空気を読んで特に口にも出さず、流してしまうような自己主張をしない控えめな人はマウントのターゲットになります。
何を言っても激しく反論することなく、嵐が過ぎるのを待つかのように静かにしている人は、マウントをする人にとっては思う存分言いたいことが言えるサンドバッグのような相手です。
自己主張をしない人は、嫌なことがあってもあまり顔にも出さないので、相手は何度でもやってきます。
誰からも好かれる人
みんなに愛され、いつでも誰かが周囲にいるような人気者はマウントターゲットになりやすいです。
マウントを取りたい人は、相手を貶めることによって優位に立とうと考えています。評価が高い人気者を貶めることができれば、自分の評価がぐんと上がると感じます。
人気者よりも凄いという優越感にも浸れます。しかも、そもそも負けるのが嫌なので、手が届かない高嶺の花よりも、あえて身近な「みんなのアイドル」のようなタイプを選んで近づいてきます。
マウンティングされた時の上手な対処法
マウンティングされると嫌な思いがして、困ってしまいますよね。マウントを上手にかわす対処法をいくつか紹介していきます。
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相手と張り合わない
マウンティングされていると感じたら、あえてさらっと流し、相手と張り合わないように対応をすることです。
隙あらば足元をすくおう、自分の自慢話に繋げようと思っているので、張り合って何かを言うというチャンスを与えないことです。聞き流していればそれだけで満足する人もいますので、流しながら様子を見ましょう。
何かと反論するでもなく、かといって自分のことを認めてくれるわけでもない、いわゆる「何の反応もない」状態ではいくらマウントを取っても満足できないのでターゲットが別に移り、自然と近づいてこなくなります。
相手と距離を置く
マウンティングする人とは、一定の距離を置くのが一番です。できる限り関わらない、近くに行かない、顔を合わせないでいられる方法を考えてみてください。
職場や学校、家庭など、どうしても顔を合わせることを避けられない場合でも、できるだけ同じ時間帯に動かない、同じ室内でも一番離れた場所にいるなどを心がけてください。
特に避けたいのがお酒が入る席です。気持ちも大きくなってマウントしようとすることが増えるので、そういう席には極力参加を減らすなどすると、ストレスも減るはずです。
また、SNSなども可能ならミュートすると良いでしょう。こちらから何もアクションを起こさなければ、相手はマウントを取る気が失せていきます。
適当に褒めてみる
適当に褒めてみる、というのもマウントには効果的です。いろいろな賞賛を並べ立てるのではなく「へえ、凄いですね」「さすがですね」のような、相づちに近いような褒め言葉をかけてあげると、多少承認欲求が満たされるのでそれで満足する人もいます。
冷静に考えたら、ただの相づちでも、それで「私を羨んでいる」「この人は自分のほうが優位だと認めている」と思い込み、ターゲットを変えてくれることもあります。
プライベートな話はしない
マウントを取ってくる人には、できるだけプライベートな話はしないようにすることも大事です。マウントを取りたい人は、自分が優位に立つための情報を常に探しているため、プライベートを根掘り葉掘り聞きたがることが多いです。
「こんな車を買った」「ここに旅行に行った」のような話をすれば「うちの車はそれよりグレードが高い」「私はそこで一番新しいホテルに泊まった」のように、後々マウントを仕掛けられる材料ともなってしまいます。
特に恋人や家族の話は、そこにまでマウントが及ぶ可能性もあるので、できるだけしないほうが無難です。
割り切って普通に接する
マウンティングしてくる人に対し、ある種の割り切りを持つことも1つの対処法です。
本人に言うと揉めかねませんが、実際のところ、マウントを取ろうとする人は、自己肯定感が低く、他人と比べ貶めることでしか自分に自信を持てない人が多いです。
そういう人なのだと割り切る気持ちを持って接しましょう。気にすれば気にするほど、自分の気分が悪くなるだけです。そちらに目を向けず、過度に意識しすぎないようにすることも大事です。
マウントされても受け止めず、上手にかわそう
マウントを取ろうとする人は自分に自信が持てず、他人に認められることで承認欲求を満たしたい人が多いです。そのために自分が頑張るのではなく、何かと人を貶めようとしてきます。
徹底的に関わらないほうがいいケースや、ただ聞くだけで満足する人もいるので、相手のタイプや心理をしっかりと見極めて対処法を変え、上手にかわしてくださいね。