あなたは「姫始め（姫はじめ）」という言葉をご存じでしょうか？
なんだか雅で華やかな響きのある言葉ですよね。
なんと古くは平安時代の書物にも記載されているこの言葉。
本来1月2日に行う“あること”を指しているのですが、実はちょっとエッチな意味合いも含んでいるそうです。
そこで今回は秋を迎え来年のことも視野に入りだしたこの時期に、一足お先に伝統的な行事である「姫始め」について詳しくご紹介していきます。
そもそも「姫始め」の意味とは？
まずは「姫始め」の意味と由来について辞書を引いて調べてみましょう。
「姫始め」は1000年以上前の書物『和名抄』にすでに記載されています。
三省堂大辞林によりますと、「正月にやわらかくたいた飯（=姫飯（ひめいい））を食べ始める日」、そして俗説として「その年に初めて女性と交わることを指す」とあります。
由来は諸説あるようですが、1月1日の元旦に強飯（（＝こわいい）蒸した固い飯で別名「おこわ」。）から、1月2日に初めて姫飯を食べる日で『姫始め』と呼ぶようになった、というのが最も有力な説とされています。
もともと昔は祭りなど特別な行事の際には強飯を食べる風習がありました。
そして固い強飯からやわらかい姫飯に移っていくことが、お正月の祭りのような食生活から通常の生活に戻っていく過程の1つの節目となっていました。
つまり「姫始め」はお正月の終わりを表す大事な行事だったのです。
現代風に置き換えると、お正月のようなめでたい日には赤飯を食べ、2日には通常の白ご飯に戻すという感覚になるかもしれませんね。
「姫始め」の説は他にも多数あり
「姫始め」という言葉が登場する最も古い時期の書物では、漢字ではなく「ひめはじめ」とひらがなで表記されていました。
そのため色々な漢字を当てはめることが可能です。
ですので本当の意味については現時点で確定しているものはなく、他にもさまざまな諸説が伝わっています。
1つは「飛馬始め」です。
これはその年に初めて馬に乗る日という意味合いです。
もう1つは「火水始め」。
言葉の通り、その年に初めて火や水を使う日という意味です。
お正月には事前に作った御節を食べることで釜を休ませ、2日に釜に水を入れて初火を焚いて使い始める日とも考えられました。
また「姫糊始め」の意とも考えられており、これは女性が洗濯や洗い張りを始める日とされています。
他にも「女伎始め」と読まれ、針子をしている女性が1月1日に休んだあと、1月2日に初めて衣服を縫い始めることから生まれた言葉とも言われています。
「ひめ」と聞くと一番に「姫」と連想しがちですが、このようにさまざまな言葉に当てはめることができ、多くの諸説があるようです。
現代の「姫始め」はエッチな意味
有力な説では、もともとお正月のお祭り生活から通常の生活に戻る通過点の儀式とされていた「姫始め」。
ですが、最初に紹介したように辞書には同時に俗説として「その年の最初に女と交わることを指す」とも書かれていました。
「ひめはじめ」という言葉の音から「秘め始め」という漢字をあてられることもあり、同じく男女がその年に初めて秘め事をする日という諸説もあります。
現代ではそもそも、おめでたい日に強飯を食べる風習がほぼ廃れているため、本来の“姫飯を初めて食べる”という意味合いよりも俗説のほうが広く伝わり、「年の初めに性交をする」というちょっとエッチな意味合いのほうが浸透するようになったようです。
江戸時代にはすでにその意味で使われており、井原西鶴の「好色一代男」や川柳にも「姫始め」という言葉が記載されています。
「姫始め」のベストなタイミングは？
それでは、恋人や配偶者とその年に初めてするエッチするという現代の意味での「姫始め」をするなら、いつのタイミングが一番良いのでしょうか？
歴史的な慣例になぞらえるなら、1月2日…ということになりますが、現代では実はタイミングについては特にこだわらなくて良いと言われています。
「その年に初めてするエッチ」なので、2月にまたいでも問題はないのです。
やはりエッチは当人同士の気持ちが一番大事ですので、2人の気持ちが自然に重なった時がベストといえるでしょう。
ただ、元旦に「姫始め」を行うことは実はあまり推奨されていません。
なぜなら古来より元旦は神様を迎える神聖な日であり、そのためにこの日は料理を作ることも休むことになり御節という文化まで生まれました。
なので秘め事も2日以降が望ましいかもしれませんね。
最後に
ここまで話題の「姫始め」の由来、そして現代の意味について詳しく解説してきました。
たくさん諸説がありますが、今は恋人や夫婦がその年に初めてエッチをする日と言われることが多いです。
年明けに大切な人と素敵な「姫始め」を迎えられるよう、恋人のいない方は出会いを探したり、片思いの方は距離が縮まるように頑張ったり、そして相手のいる方は来年に向けてより絆が深まるよう、今から少しずつ意識して行動してみてくださいね。
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