初詣とは?神社・お寺の参拝方法や全国の初詣おすすめスポット紹介

初詣とは?

日本人のお正月の恒例行事である「初詣」

初詣とは、年が明けて初めて神社やお寺に参拝することを指します。

初詣では、旧年の感謝や、新年の挨拶、そしてこれから始まる1年が多幸の年になるよう神様、仏様にお願いをするのが一般的な風習です。

日本には数多くの神社とお寺があり、近年では有名なところに初詣に行く方も多いですが、本来は氏神様に詣でるものです。

氏神様とは住んでいる地域の守り神様のことを言います。

どの神社・お寺に初詣に行っても問題ありませんが、できれば氏神様に一番に挨拶に行くのが良いでしょう。

初詣の由来・起源とは?

初詣は「年籠り」という風習が起源と言われています。

年籠りとは、大晦日の夜から元旦の朝にかけて神社やお寺に籠り、新年の平安を祈願する風習です。

そうして不眠不休で年神様を迎え入れました。

年籠りはやがて大晦日に行われる「除夜詣(じょやもうで)」と、元旦に行われる「元日詣(がんじつもうで)」に分かれていきました。

そして「元日詣」が時代によって形を変えていき、今の初詣の形になったと言われています。

もともと氏神様に新年の挨拶に行く「恵方参り」が習わしとしてあり、これも初詣の原型だと言われています。

神社の基本的な参拝方法

  1. まず鳥居をくぐる前に御辞儀をします。
  2. 参道の真ん中は神様が通る道のため、左右の端側を歩きます。
  3. 本殿にお参りする前に手水舎で手と口に水をかけ、邪気を払い清めます。
  4. 本殿に着いたら賽銭箱にお賽銭を入れ鈴を鳴らします。
  5. 参拝方法は「二礼二拍手一礼」の作法を取ります。まず2回深い御辞儀をし、右手を少し下にずらした状態で2回拍手をします。1回御辞儀をして手を合わせ、神様に感謝します。
  6. 最後に1回御辞儀をしたら参拝終了です。
  7. 参拝後、鳥居を出たら本殿に向かって御辞儀をして帰ります。

神社によって参拝方法が異なる場合があるので事前に調べておくと安心でしょう。

お寺の基本的な参拝方法

お寺の参拝方法は、神社での参拝方法と少し異なります。

  1. まず山門をくぐる前に一礼・合掌します。
  2. 山門の敷居は踏んではいけないので、跨いで通ります。
  3. 手水所があれば、そこで手と口を清めます。
  4. 本堂に着いたら賽銭箱の前で一礼します。そして鐘がある場合は鐘を鳴らします。
  5. 次に、ロウソクや線香をあげます。
  6. その後、賽銭箱にお賽銭を入れます。
  7. それから音を立てずに静かに手を合わせ、拝みます。参拝時に手を叩くのは神社の神道で、お寺ですると失礼にあたるので、注意しましょう。
  8. 拝む時には念仏やお題目を唱えます。念仏や題目がわからない場合は静かに拝むだけでOKです。
  9. その後、一度御辞儀をして退出します。

手水舎での清め方

  1. まず、右手で柄杓(ひしゃく)を持ちます。そのまま水をすくって左手にかけます
  2. 次に左手に持ち替え、同じように右手に水をかけます
  3. そして再度、右手に持ち替え、左の手のひらで水を受けます。そのまま口に含み、静かに口をゆすいでそっと吐き出します。吐き出す時は口元を手で隠すのがマナーです。
  4. 時折、勘違いされている方も見受けられますが、口をゆすぐ時は柄杓に直接口をつけてはいけないので、必ず左手で水を受けるようにしましょう。
  5. 最後に左手に水をかけ、柄杓を立てて柄の部分を水で流し、綺麗にしてから戻します。

知っておきたい初詣のマナー

ここからは、知っておきたい初詣にまつわるマナーをご紹介します。

初詣は、いつ行くのがいい?

初詣は1年の始まりに神様や仏様に新年の挨拶に行くものなので、やはりお正月三が日がベストです。

一般的には「松の内」と言われる、門松や松飾を飾っている期間のうちに参拝するのが目安です。

「松の内」は地域により異なり、関東では1日から7日、関西では1日から15日のところが多いでしょう。

しかしそれを過ぎたらダメという訳ではなく、次の節句である「立春」の2月3日の節分の日までに参拝するという方法もあります。

初詣は、何回行ってもいい?

初詣は新年のご挨拶のため「1回しかダメ」ということはありません。

何度初詣に行っても良いですが、回数よりも初詣に行く神社・お寺の順番が大切です。

まずは初詣に出かける前に自宅の神棚に鏡餅などを供え、年神様をお迎えし、新年の挨拶をします。

次に氏神様へ参拝に行き、その後、地域外の有名な神社・お寺へは最後に回りましょう。

各寺社のご利益は異なるため、敬う気持ちを忘れなければ、何度参拝してもOKです。

初詣は、神社とお寺、どちらに行く?

「初詣」と聞くと神様のイメージが強く、神社で行うものだと思っている方は多いのではないでしょうか。

実はお寺でも初詣ができます

日本古来の神様を祀っているのが神社で、仏様が祀られているのがお寺と祀られている対象が異なるものの、実は明治より以前は寺社が区別されておらず、神道と仏教を合わせた「神仏習合」という体系がありました。

そのため、宗教や信仰上の制限がなければ、どちらでも初詣に行って大丈夫です。

初詣のお賽銭は、いくら入れる?

お賽銭の金額に決まりはありません

多ければ良いというものではなく、日頃の感謝や祈願のために神様・仏様に奉納するお金のため、気持ちが籠っていればいくらでも大丈夫です。

縁起物に駄洒落を織り込む日本では、「良いご縁」になぞらえて「五円玉」を奉納するなど、縁起を考えて決める人もいます。

また神社とお寺ではお賽銭の解釈が異なり、神社は神様への感謝お寺は修行の一環として「お布施」の意味合いになります。

初詣のお願い事における数や内容は?

初詣のお願い事の数や内容については、実は明確なルールやマナーはありません

心から願うものや、自身で努力もするものであれば、いくつでも大丈夫です。

しかし欲張ってあれもこれもと軽くお願いするよりも、真剣に叶えたいことに的を絞ったほうが良いでしょう。

お願い事の数や内容よりも、参拝に行ってすぐにお願い事をするのはマナー違反にあたります。

まずは旧年の感謝と新年の挨拶をし、それからお願い事をしましょう。

初詣で引いたおみくじはどうする?

初詣で引いたおみくじは良いものだったら持ち帰り、悪いものだったら境内の指定場所に結んで帰ると思われている方は多いのではないでしょうか。

実は、吉凶に関わらず、持ち帰っても境内に結んでも良いとされています。

境内の指定場所に結ぶ場合、悪い運勢のおみくじは利き手と反対の手で結ぶと良いと言われています。

大凶や凶の場合も吉に転じるためのメッセージが書かれていますので、持ち帰って読み返すのもおすすめです。

初詣で授かったお守りやお札はどうする?

お守りとお札で取り扱い方が異なります。

お守りは持っている人の身を守ってくれるものなので、財布やいつも持ち歩くカバンなどに入れてなるべく肌身離さず持つようにするのが良いでしょう。

お札は神様が宿っている神聖なものです。

失礼にならないよう、神棚や家具の上、柱の上部など、目線の高さ以上に置きましょう。

1年経ったら授かった寺社に返納します。

直接返納が難しい場合は郵送の受け付けがあるか確認をしましょう。

初詣で絵馬は書いたほうがいい?

絵馬は叶えたい願い事を木製の板に直接書いて神様に奉納するものです。

そのためどうしても叶えたい強い願い事がある場合は、絵馬の奉納をおすすめします。

絵馬の書き方は、縦書きでも横書きでもOK。

願い事と住所、氏名、日付を記入して奉納しますが、個人情報の保護が気になる方は、大体の住所とニックネーム、イニシャルなどのざっくりしたものでも大丈夫です。

絵馬を掛ける時は、願い事を書いた面を表にしてください。

初詣スポット人気ランキングTOP10

ここからは、おすすめの初詣スポット人気ランキングをご紹介します。

明治神宮(東京都)

明治天皇と昭憲皇太后を祀る、広大な敷地を持つ神社

例年、初詣に訪れる参拝客数が全国1位を誇り、毎年数百万人が訪れています。

家内安全、恋愛成就、商売繁盛、病気平癒、心願成就などのご利益があります。

参拝形式は二拝二拍一拝。

築城の名手と言われた戦国武将・加藤清正が掘ったと伝わる清正の井があります。

明治神宮
〒151-8557 東京都渋谷区代々木神園町1-1
03-3379-5511
伏見稲荷大社(京都府)

朱色の鳥居が連なる様が圧巻の、有名な千本鳥居がある京都の神社です。

創建は711年と歴史が古く、五穀豊穣の神、地の神、愛嬌の神らを祀っています。

参拝形式は二拝二拍一拝で、商売繁盛、五穀豊穣にご利益があります。

産業に繁栄をもたらす大宮能売神がご祭神にいるため、百貨店や市場関係の方にご縁があります。

伏見稲荷大社
〒612-0882 京都市伏見区深草薮之内町68番地
075-641-7331
成田山新勝寺(千葉県)

弘法大師空海が自ら敬刻開眼された、御本尊不動明王を祀る真言宗のお寺です。

「成田山のお不動さま」と多くの人に慕われ、源頼朝、水戸光圀、二宮尊徳といった有名な歴史上の人物も信仰し、歌舞伎の成田屋の屋号となっています。

千年以上御護摩の火を絶やさず、心願成就の祈願を続けている、長い歴史のあるお寺です。

大本山成田山新勝寺
〒286-0023 千葉県成田市成田1番地
0476-22-2111
川崎大師(神奈川県)

「厄除け」のお寺として有名な厄除弘法大師のご本尊を祀るお寺です。

真言宗智山派の関東三大本山の1つで、厄除けのほか、家内安全や商売繁盛、交通安全などのご利益があります。

境内には七堂伽藍など、様々なお堂や尊像のほか、大きな池を有する風情豊かな庭園が広がっており、境内巡りスポットとしてもおすすめです。

川崎大師
〒210-8521 神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
044-266-3420
住吉大社(大阪府)

海の神、航海の神と言われる住吉三神を祀った、211年創建の神社です。

大阪内の神社ではトップの参拝客数を誇り、「住吉さん」の愛称で親しまれています。

航海安全、水難守護といった海に関わるご利益のほか、開運出世、厄除け、芸能上達にもご利益があります。

末社の侍者社では縁結びや安産の姫神が祀られています。

住吉大社
〒558-0045 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目 9-89
06-6672-0753
鶴岡八幡宮(神奈川県)

京都の石清水八幡宮護国寺の若宮として、鎌倉に創建された神社です。

農耕神、海の神と言われる八幡信を祀っており、武運長久、商売繁盛、金運上昇、出世開運、安産祈願、学業成就、合格祈願、交通安全、縁結び、厄除けなど実に多くのご利益があります。

境内にある「政子石」には、縁結びや夫婦円満のご利益があります。

鶴岡八幡宮
〒248-8588 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
0467-22-0315
春日大社(奈良県)

百人一首にも読まれている三笠山や奈良の大仏が近くにあり文化財として世界遺産に登録されている神社です。

全国に1000社以上ある春日神社の総本社で、雷神、刀剣の神、出世の神などを祀り、出世開運、商売繁盛、恋愛成就、合格祈願、安産祈願、厄除けなどのご利益があります。

鹿を神の使いとし、境内でも見られます。

春日大社
〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160
0742-22-7788
浅草寺(東京都)

観音霊場として、1400年近い歴史を持つお寺です。

鎌倉時代に編纂された歴史書「吾妻鏡」に登場しており、源頼朝が戦勝祈願で訪れたり、足利尊氏、徳川家康も参拝に訪れたりしました。

聖観世音菩薩をご本尊とし、開運、極楽往生、病気平癒、厄除け、苦難除去などのご利益があります。

境内には浅草名物の出店が並びます。

浅草寺
〒111-0032 東京都台東区浅草2-3-1
03-3842-0181
熱田神宮(愛知県)

三種の神器の1つ、草薙剣を奉納している神社です。

古事記や日本書紀に登場する日本武尊の死後に彼が帯刀していた草薙の剣を妻が祀ったことから創建されたとされています。

天照大神らを祀り、大願成就、武運長久などのご利益があります。

織田信長が桶狭間の戦前に戦勝祈願し、そのお礼に寄進された信長塀があります。

熱田神宮
〒456-8585 名古屋市熱田区神宮一丁目一番一号
052-671-4151
太宰府天満宮(福岡県)

学問の神様として有名な菅原道真公を祀る九州の神社です。

この地に没した日本三大怨霊の道真公を鎮めるため919年に創建。

北野天満宮・防府天満宮とともに三天神の1つに数えられ合格祈願、学業成就、五穀豊穣、雷除けなどのご利益があります。

聡明な道真公にあやかろうと受験生の合格祈願の神社としても人気です。

太宰府天満宮
〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4丁目7-1
092-922-8225

初詣で気持ち良く新年を迎えよう

ここまで、意外に知らない初詣の細かいしきたりについてご紹介しました。

初詣は旧年の感謝を伝え、新年の多幸を祈願する、日本古来の伝統行事です。

行く時期も回数も、お賽銭の金額も特に決まりはなく、心を込めて参拝をすればOK

自分や大切な人たちが良い1年を過ごせるよう、1年の始まりに神聖な場で手を合わせるひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介したおすすめ神社もぜひ参考にしてくださいね。

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