言う事次々ズバ当たり【徳川家老/血縁世襲】麻布の秘蔵占師 上嶋櫻子　

上之歌─今、あの人からのあなたへの気持ち。どのくらい高まっている？

　上之句を詠むと「明けぬれば　暮るるものとは　知りながら　なほうらめしき　朝ぼらけかな」という歌が現れました。「会いたい」という強い感情を示した歌です。今のあの人は、とても安定した様子を見せているはず。あなた様に対して親しげに振る舞ってくれることはありますが、あくまでも友人付き合いにとどまっている……そんな印象なのではございませんか？　だからこそあなた様は、2人の先行きに不安を感じているのでしょう。

　しかし、実はあの人の心の中では、あなた様の存在が非常に大きなものになりつつあります。友人として見ているのはもちろん、恋人の候補としても相応しい存在だと感じているのです。交際に進むチャンスを心待ちにしていると言っても、そう間違ってはいません。

　あなた様が感じているあの人の様子と実際の心に、これほどまでの温度差があるのはなぜなのでしょう。実はあの人の性格が、強く作用しているというのを知ってください。

　というのも、あの人は自分の心をしっかりと操れる人なのです。感情に任せて行動するのは恥ずかしいことで、しっかりと気持ちを抑え込んでおかなくてはならない……そう思ってしまう性格だと言っていいでしょう。

　ですから、実際にあの人がどんな態度や表情を見せているにせよ、心は相当に盛り上がっているところだと考えてください。2人が恋に進む可能性は、あなた様が考えているよりも高いのです。

下之歌─あの人が今、【あなただけ】に伝えたい言葉

　返歌、下之歌を詠みましょう。「ひさかたの　光のどけき　春の日に　しづ心なく　花の散るらむ」という歌が現れました。この歌は時の速さと状況の変化に感傷的な気持ちになっていることを示しています。現在、恋愛や人間関係に対して慎重になっているようです。精神的なつながりの重要性に気づいて、いい加減な気持ちでは人との縁を結べないと感じ始めています。その気づき自体は正しいことで、今後の人生に大きな影響を与える可能性もあるでしょう。

　ただ以前と比べると、他人との交流に消極的といった印象も生まれています。それがあの人に不安を与えてしまっているでしょう。あなた様に嫌われるようなことをしたのではないか……そんなふうに思い込んでいる可能性もあります。2人の今後を心配して、現状を改善したいと願っているでしょう。

　そんなあの人があなた様に伝えたいのは、「今まで通り気軽な交流がしたい」という言葉。不安を消し去ってあげるためにも、あの人と一緒にいる時だけは慎重な態度を抑えたほうがいいのです。それにあの人にだけ気軽な様子を見せてあげることで、「特別扱いされている」といった印象を与えることもできるでしょう。その結果、相手の気持ちを盛り上げることもできるに違いありません。　ひとつひとつの人間関係を大切にして、精神的なつながりを強めていこうとするあなた様の姿勢に間違いはありません。その最初の相手として、あの人を選ぶのがおすすめです。続けて2人の宿縁に迫り、あなた様とあの人、2人の意図を詠んでいきます。
⇒【宿縁の糸を結んでいきましょう】